10月に入り、リスクがさらに一段と高まっています

国慶節を機に、警察の過剰な鎮圧行為がさらに過激になっており、政府が覆面禁止令を出したことで、それに反発した過激派によるインフラ破壊、親中企業、商店攻撃も悪化しています。

国慶節では警察が過去約3か月に使用した催涙弾総数を超える1千発以上の催涙弾を一日で発射したり、1日、3日と実弾を抗議者に発射して負傷者が出ています。9月の段階であれば、平日の昼間なら普通に観光ができると言えたのですが、今週などは夕方に湾仔で催涙弾を使った鎮圧が行われ、マスク使用が禁止されたため、買い物帰りや帰宅中の一般市民が催涙弾の影響を受けるという事態も起きています。

確かにデモ隊は攻撃的ですが、外国人を襲撃したりはしませんが、例えば警察支持発言をした関係者がいる飲食店などはボイコットから店舗破壊にエスカレートしています。どの店が体制側か抗議者側かわかっていればリスクヘッジはできますが、そうでないと、突然店が破壊されるということも今では起こりえます。実際にそういう事件も何件か起きていますので。観光客向けだと美心(マキシム)グループが関係が深いでしょう。飲茶のレストランなどでも有名ですし。スターバックスや吉野家なども系列なので破壊行為にあっています。体制支持のショッピングモールも破壊されています。太古(スワイヤー)グループは今のところ比較的安心ですが、あのモールは、、、と言われても、旅行でいらっしゃる方には一々覚えていられないですよね。

またそれ以上に警察が暴走しており、これまでは安全だった仲裁に入る議員や取材するマスコミにまで至近距離でペッパーガスを噴射したり、ビーンバッグ弾を発射したりして、失明しそうになっているインドネシア人記者もいて、問題になっています。

取りあえず、街中の移動は鉄道はエアポートエクスプレス以外はいつ止まるかわからないし、駅によっては警察とデモ隊が衝突するリスクの高い場所なので、土地勘のない方が利用するのはお勧めできません。バスやミニバス、タクシー利用が基本となるでしょう。今のところデモが起きやすい場所を避け、できるだけホテルの室内に滞在していれば安心できると思いますが、それでは旅行に来た意味がなくなってしまうでしょう。ですので、流石に今の時期の観光目的の香港旅行はお勧めできません。

数日前、香港総領事館からは20年住んでいて初めて在住者への安全確認の連絡が届きました。万が一被害者が出た場合や邦人救出のための確認だそうです。そういう状況なんです。政府が何kを発表したり、突発的な事件が起きたりすることで、状況が刻々と変わっているので、もしいらっしゃるのであれば、香港総領事館のウェブサイトの最新情報をご覧になることを強くお勧めします。

香港の隣のマカオへ深圳などは治安は今までと全く変わらず(深圳の治安がいいわけではないんですが、騒動は起きていないという意味)、安定していますし、香港空港から香港市内へ入らずに、フェリーやマカオへの海上橋利用バスで行くこともできるので、ホテルはともかく、飛行機がキャンセルできないなら、目的地をマカオ(+珠海など)にするのもありかなとは思います。

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1件のコメント

  • とても参考になりました

    詳しくありがとうございます。深刻さがとてもよく理解できました。
    香港には慣れてはいるのですが、今回初香港のヨーロッパ人の友人を連れての予定だったので、あまりムリはできないなと思うので、提案いただいたように、マカオなどに変更を検討しています。
    大変参考になりました。ありがとうございます。早く香港に安全で平穏な生活が戻ることを願ってます。どうぞお気をつけください。

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