チョックラごめんなさい。この映画製作は戦後じゃあないんですよ。 のりーたさん 古い映画の話は古めの人が。 といっても本当はもっと古い人なんでしょうが・・。 この映画は米国がドイツに参戦した年に製作されたものです。ですからナチはまだ必ずしも悪の権化?ではなくてかの国にも支持者はしっかりいた時代です。 フランスに新ドイツ政権のヴィシー政府が成立して、その植民地のモロッコにも親ドイツの風が吹き荒れているところへ、オーストリーの貴族でアンチナチの闘士がその奥さんと亡命の途中でたちよるところに、奥さんの昔の彼氏が怪しげな酒場をやっていた・・という設定です。 一説によると彼はカーデンホフ・カレルギー(オリンピック提唱者)がモデルとか。そうすると奥さんはなんとミツコ(香水の名前になっています)。パリ経由で米国に亡命しているはず。 つまり隠れていなければいけないのに、ドイツ将校の歌に刺激されてついつい出てくる育ちのよいお坊ちゃま気質を表しているのがあのシーンです。 ドイツ将校を射殺・・・?は取り上げられたパスポートがからんでいたのでは・・。 ともかくあの話の中ではまだナチ色はそれほど色濃くなく、ドイツ将校団・・後年のハリウッド映画のようには政治将校は出てきていません。 いんぐりっとバーグマンの亭主役ははポールヘンリード、不思議な警察署長役のクロードレインズ。マルセイエーズなのはドイツの傀儡ヴィシー政権が支配する本国に反発する人々が住む植民地だから。 さらにボギー と警察署長が連れ立って向かう先はイギリスに成立したドゴール新政権の自由フランス軍でした。 ですからあれってれっきとした戦意高揚のプロパガンダ映画です。 へへへ、無駄なお話でした。
なるほどです・・ ぼうふらおじいさん さん こんばんわです ご教授いただき ありがとうございました >ナチはまだ必ずしも悪の権化?ではなくてかの国にも支持者はしっかりいた時代です。 チャップリンの「独裁者」は もっと前の 1940年封切 「ナチの実態が知られていなかった時期に この映画を撮ったの?!」とか 驚いた記憶があります 「カサブランカ」 封切 1942年ですね 内容から、戦後の作品とかおもっていました ディズニーアニメの「バンビ」「白雪姫」「風と共に去りぬ」など 戦前のアメリカ映画ってすごい作品が多いです・・・・ アメリカってすごい国だったんですね この頃は・・・・
知らぬは日本人ばかりなり・・・ のりーたさん、 >「ナチの実態が知られていなかった時期に この映画を撮ったの?!」とか 驚いた記憶があります アウシュビッツなどの絶滅作戦が明るみに出たのは戦後のようですが、ヒトラーが首相になったのが1933年、大統領(総統)になったのが1934年です。 ユダヤ人迫害のきっかけになった有名な「水晶の夜」事件が1938年11月9日、振り返って考えると、ユダヤ人だったチャップリンが反ヒットラー映画を撮影しても当然ではないかと思います。 テレビも無い時代、大多数の日本人はそんなことは知りもせず・・・でしょう。
第一次大戦後のドイツいじめとその蘇りを全世界が注目していた・・ のりーたさん 私たちは近世世界史からほとんど切り離されている国民です。 中央主権に乗り遅れて、田舎もの扱いされていたドイツがようやくプロイセンを中心にドイツ民族をまとめて英仏露などすでに産業資本の確立の元に世界帝国主義的支配を推し進めているのに、1-2周回遅れでスタートした冠たるドイツ帝国が英・仏+米国につぶされた後の敗戦処理は見るも無残、天文学的インフレの中でとたんの苦しみにあえがされました。 そのどん底の中で屈辱感にあえぐ中産階級以下の民衆のエネルギーを背景に、われらこそ選民と立ち上がったのがナチズムです(いえいささか短絡的ですが)。 キリスト教を中心とするヨーロッパ社会で、なぜかその背景に不死の英雄ジーグフリード伝説をすえたのは反カソリシズムの故といわれています。 ナチズムを信奉する人たちは第2次大戦前夜には米国・欧州全土に広がっていて、当時の英国の首相もその一人だったため、対応が遅れたのだと・・。ナチズムの危険性に各国が気がつくのは、イギリスの嫌われっ子チャーチルが登場してからです。 つまり対応が遅れて大事になっためいめいの責任を、原因のナチズムに押し付けるためにはまるで悪性の病原菌みたいに非難しないと都合が悪かった・・ということです。 当時の状況は 多分今のどこかの北半分の置かれている政権の状況と同じだったのではないでしょうか。いえもっと賢き対応をしたために世界中を巻き込んだ騒ぎになったわけですけれども・・。 何時の時代でも映画は大衆のものです。 状況を単純化して相手を悪者として自分たちを正当化するプロパガンダ媒体として今でも巧妙に利用されています。 書き方がついいやらしくなってしました。 でも楽しむのは楽しみますが、それでもどこかでタブラカサレマイゾという覚悟を持っていなくてはいけない・・・というのが、教科書にスミをぬらされたおじいさんたちの 皆さんへのつぶやき・・・遺言?です。