海外旅行でうろうろしていると、「植民地の跡」というのは至る所にある。私は個人的には「大英帝国の凄さ」というのは各地で見て回って実感することが多いけど、元々大航海時代はスペインとポルトガルが始めた(?)ものだから、彼らの跡地も色々とあるはずだが、私の行った先はたまたま旧スペイン、ポルトガルの植民地が少ない。
が、16世紀の戦国時代に、なぜ日本はスペインやポルトガルの植民地にならなかったか?というのは、中央政府が崩壊(いや、日本は万世一系の天皇が支配する国で・・・とかいう議論はとりあえず横において)している時代であるのに、きちんとした説を聞いた覚えがない。これは、あれだけ中国の物まねをした大和朝廷が宦官と科挙を導入しなかったのはなぜか?に匹敵するいまいち謎の話である。
結論から言うと、この本、秀吉の朝鮮出兵はスペインのフェリペ二世に対抗するためのもので、その結果、マニラのスペイン総督府は日本軍が攻めてくるとパニックに陥り、結果、スペインやボルトガルが日本に攻めることがなくなった。・・・・という話、信じますか?資料の使い方はきちんとしている。改めて関係地域に行ってみたくなる本である。