2) 原子力発電所ミュージアム見学の後、憲兵隊の尋問を受ける(その1) 見学の後、右に行けば35~40分ほど歩いて、もと来た国鉄駅 Port Boulet に戻る。 左に行けばフェンス沿いに発電所の蒸気タワーがすぐ近くにあり(ここのタワーは高さ20mに抑えてある)、余った蒸気をビニールハウスに引いて周辺の農家で促成栽培にも利用していると説明があったが、それらしいビニールハウス群も遠くに見えるので、蒸気タワーの近くのフェンスの縁を歩いて、写真を撮ったりしながら入り口近くまで戻ってきた。 この日は暑かった。広大な駐車場の植え込みの横まで来て路肩に立ち止まり、リュックを下ろして帽子を取り出して被り、前を向こうとしたら「ボンジュール、ムシュー」という声がした。 向き直って正面を見るといつ出てきたのか、男が一人立っている。「ボンジュール」と返しながら男の顔を見ると、男は「ジャンダルムリー」と言った。(gendarmerieというのは憲兵隊で、一般的には、地方での治安の取り締まりや交通規制などを行っている。制服にgendarmerieと書いてあった。) 男「あなたは、このあたりを散歩しているのですか?」と私に聞いた。 私(あれ、あっちの方へ行って戻ってきたのを見ていたのかな?)「原子力発電所ミュージアムを見学して、あちらの方をちょっと見て、Port Boulet 駅の方へ戻るところです。」 男は「Port Boulet?」と言いながら(この暑さの中、歩くにはちょっと遠いか)、私のズボンや、靴に目をやり、見定めをしているようだ。 (靴は、革のウォーキングシューズをちょっと張り込んで日本で買って履いてきたので、遠距離踏破にも耐えられるよ) 男「身分証明書を見せてください。」 私(この男、堂に入った質問の態度から見て偽物ではないらしい。制服や靴も、日常使い込んだ感じだ。でも、何で一人なんだ? 普通複数だろう?)パスポートを渡す。 男、パスポートを見て「昨夜はどこに泊まりましたか?」 私「ソミュールのホテルに泊まりました。」(Saumurから Port Boulot まで列車で15分ぐらい) 男「あちらで話を聞きたいので、あちらに来てください。」と言って、私を先に促して、植え込みの間から駐車場の方へ進むように言った。男は後からついてくる。 (続く)
怪しい東洋人がテロの下見中と見られたようで……恐くなかったですか!? こんにちは。 楽しく読ませて頂きました。 活字主体の旅行記は少なくて…、mamoruさんので画像の臨場感に勝るものが得られ嬉しく思いました。 google map 見たら、河の対岸の駅から歩かれたようで、歩いている人はいないのではないでしょうか? 憲兵隊より先に歩いているとき、走って逃げてみようかとか、多様な馬鹿げた考えが去来してきたりしてね!! 悪くない意味で興味本位の性質の私には、何といっても興味あればこそだと。
フレンチ☆☆ さん こんにちは レスありがとうございます。 降りた国鉄駅の周りには多少民家があって、カフェーもあるのですが、橋の付近から民家はなく、ロワール川の南へ渡ると荒れ地と雑木林で、車は通るけど、人は歩いていないです。 最初に憲兵隊の一人に対面したとき、偽制服を着た泥棒さんかと思ったのですが、このあたりで偽憲兵をやっても獲物にはありつけないだろうから、偽物じゃなさそうで、本物だったらこちらの目的を説明するしかないな、と思いました。 複数の憲兵の前で尋問を受けているときは、違った方向から複数の人がこちらの表情や目の動き、態度、衣服、リュックなどを距離を置いて、じっと見ているんですね。(それでさらに尋問するかどうか判断するのだろうと思います。) 自由、平等、友愛のフランスだから、とんでもないことにはならないだろうと思っていました。 PS 事前に、見学には予約が要るか、シノンの観光案内所に問い合わせたところ、予約は要らないから、直接行けばいいといわれたのですが、ミュージアムの手前の門の女性の守衛に、ミュージアムへ行くなら予約を取っているか、と尋ねられ、予約してない、と言うと、「見学は出来ません。」と言われました。 私は、「シノンの観光案内所に尋ねたら、予約なしで直接行って良い、と言われたから来たのです。」というと、ちょっと待たせて、奥でミュージアムに電話で問い合わせたらしく、入ってよろしい、と言われました。 フランスって、係によって多少決まりの運営が違っていたりするので、だめだと言われても、反論するための材料があれば言ったモン勝ち、的な様相はありますね。 (今回は、ミュージアムに予約を取るのが一番良かったんだろうと思います。)