マラリアのリスクと対策 マラリアのリスクについて簡単にコメントします。 西アフリカは重症化しやすい熱帯熱マラリアが最も多い地域です。 2003年の医学論文では予防対策をしないで西アフリカを旅行すると、大まかには1カ月に約3%の旅行者がマラリアになるとリスクを推定しています。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12615369 マラリアは一般的に都市部に少なく、田舎に多い病気ですから、西アフリカも都市化が進んだり、マラリア対策が進んだことで以前よりも、マラリアのリスクは減少していると考えられています。 一方で、マラリアに対しての免疫がない日本人がマラリアに罹った時には、重症化しやすいことを覚えておく必要があります。寒気や震えを伴う発熱で発症しますが、治療をしないで放っておくと急速に症状が悪化して、場合によっては1週間程度で命を落としてしまう場合もあります。 また感染から発症までには潜伏期という時間の差があり、平均で約2週間、長ければ1カ月程度遅れて発熱します。ですから、日本へ帰国後も1か月以内に高い発熱を認めたら、原因がマラリアかもしれないと考えて適切な医療機関を受診する必要があります。近くのクリニックを受診して、アフリカに渡航歴があることを言わないと、風邪やインフルエンザとして経過観察となり、重症化してしまう危険性もあります。 上記のようにマラリアのリスクは、渡航する場所、期間、活動内容について変わってきます。またご指摘のようにマラリア予防内服の副反応に関するリスクも考えて、マラリアの予防内服を考える際にはリスクのバランスを取る必要があります。 詳しくは、病院に設置されたトラベルクリニックを受診して、専門の医師に相談することをお勧めします。同時にマラリアの予防対策についても話をしてもらえるはずです。 一般のマラリア予防の情報は、国立国際医療研究センターのパンフレットが参考になります。 こちらのでは、旅行前の予防相談から、帰国後の診療まで旅行に関連した健康問題を専門的に相談することができます。 http://www.ncgm.go.jp/dcc/travel_clinic/index.html