レポート
  • 女性
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  • 元県庁職員
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  • 英検2級、ロシア語教員免許、ドイツ語4級

信じられない光景 その4

公開日 : 2022年09月03日
最終更新 :

私の長かった海外旅行で、最も信じられない光景だったのは、2012年1月13日~16日に滞在した、レバノンの首都ベイルートの街並みだ。
今はもう、復興していると思うが、空港から、街中へ向かう、タクシーの窓から見た光景は、すごかった。
その少し前に、イスラエルに空爆されていたので、町中、空爆跡だらけだった。
白いコンクリートの建物が、窓が吹き飛び、中は、真っ黒に焼け焦げていた。
そんな建物だらけだった。
私は、タクシーの中から、呆然として、空爆された建物を眺めた。
レバノンは、他のアラブの国と違って、雨が降るので、コンクリートの建物が洗われて、白いのだ。
(エジプトのカイロにあった考古学博物館は、革命で焼かれた後、真っ黒に焼け焦げたまま、放置されていた。雨が降らないので、黒くすすけたままだった)
町一番の大きなホテルは、横っ腹に、大きな穴が空いていた。
当時、そこには、国連事務総長 潘基文が来ていた。
安宿があったというダウンタウンは、廃墟になっていた。
これは「内戦のため」と、ガイドブックに書いてあった。
レバノンは、イスラム教徒と、キリスト教徒が、半々で、さらに、それぞれが、様々な宗派に分かれ、同じ宗教でも、宗派が違うと、殺し合い、長々と、内戦をしたそうだ。
スーパーへ行くと、意外ときれいで、いろんな国の新聞が売られていた。
言論・表現の自由が、あるみたいだ。
エジプトと違って、車は、交差点で、信号が赤になると、一斉に停車していた。
空爆跡さえなければ、緑が多くて、きれいな町だった(アラブには、珍しい)。
私は、1月12日午後、ヨルダンの首都アンマンから、ロイヤルヨルダン航空で、ベイルートへ飛んだが、1時間ほどのフライトなのに、途中で、エンジントラブルがあったとかで、一旦、アンマンに、引き返し、何時間かして、また、出発した。
ベイルートからは、ミドルイースト航空で、カイロへ飛んだ。
レバノンが、他の国と違うところは、パスポートチェックが厳しいことだ。
イミグレーションでは、パスポートのページを、1枚1枚めくって、なめるように、調べられた。
空港内でも、警官に呼び止められ、パスポートを調べられた。
イスラエル入国の印があったら、入国拒否なので、ものすごい調べ方をする。
ベイルート訪問で、平和について、ものすごく、考えさせられた。
私の12年間の旅で、最も感銘を受けた町だ。




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