エジプトには、合わせて、約1年間滞在した。
エジプトは、アライバルビザ(到着ビザ)なので、カイロの空港に到着してから、イミグレーションで、ビザを買って、入国する。
ビザは、イミグレーションで、延長できる。
当時、革命中で、外務省の海外安全情報では、「渡航の是非を検討してください」だった。
外国人観光客は、ゼロに近かった。
私は、カイロで、ピラミッド見物や、ルクソールで、王家の谷見物は、しなかった。
ずっと、滞在していると、行く気がしなくなった。
ピラミッドや王家の谷は、外国人観光客がいないと、閑散として、危険だったかもしれない。
エジプトで見て、一番良かったのは、毎週金曜日正午の集団礼拝である。
アラブでは、休日は、日曜日ではなく、金曜日である。
エジプトの首都カイロでは、金曜日の正午になると、店も閉まり、あちこちの街角で、集団礼拝が始まる。
男たちが、ひとりひとり、手に小さい絨毯を持ち、集まる。
自分用の小さい絨毯を敷いて、その上で、スピーカーから聞こえる男の声に従って、一斉に、立ったり、座ったり、お辞儀をしたりする。
私は、アラビア語は、わからないが、大変珍しいので、毎週、この集団礼拝を見るのを、楽しみにしていた。