フィンランドをこんな風に旅するとおもしろい！といいますと

5/4〜5/9というと，湖の氷が解けていく時期です。あちらの湖が解け，こちらの湖が解け，という風にだんだん北上していきます。

冬の間，ゆっくり成長した氷の結晶は割り箸を束ねたようになっていて，岸に残っている氷の塊などに衝撃を与えると細くばらばらにくずれます。これだけでもおもしろいのですが，解けかかった湖でこの割り箸状の氷が水にただよっている時にそよ風が吹くと，氷どうしがぶつかりあって非常に澄んだ鈴のような音が湖面に響きます。この時期にだけ聞こえるフィンランドの風物詩だと思います。ただ，行けば出会えるというものではなく運がよければたまたま遭遇する程度です。

5月は世の中が一気に冬枯れから新緑へと変わる時期で，その速さといったら緑の濃さが朝と夕方で違うくらいです。5月の，芽吹きが始まった日とその2週間後では別な国のように見えます。少し長く滞在すればその変化も楽しめます。

一般には旅行向けの時期は5月下旬から8月上旬でしょう。8月中旬には秋風が吹き，夏休みも終わり，屋外施設が閉まっていきます。これだけ聞くと夏が非常に短いように思えるかも知れませんが，夏の始まりも早いのでそう短いわけではないと思います。

フィンランドは，他の北欧の国もそうですが，あまりぱっとした観光スポットがありません。ヨーロッパの南の方のように観光スポットを点で結んで旅行するよりは，特に目的なく湖畔でゆったり過ごしたりするのがフィンランド的かと思います。

真冬もいいです。真っ白な樹氷，ダイヤモンドダスト，大粒の雪の結晶，ハロ，時にはオーロラなどきれいなもの満載です。マイナス30℃以下の澄んだ空気を体験するのも面白いかと思います。これも運に左右されることではありますが。