言語のブレ 夏草や様、こんばんは 言語学そのものを学んだことがなく、アジアの言語の相関関係にも疎いので、勉強になりました。 日本では方言のバリエーションに歴史的推移を重ねることができますが、ヨーロッパでは各言語でそれを感じることができます。 言語学素人でもすぐに気がつくのは、意外と欧州の周辺地域の言語にラテン語の語彙や構造が残っている、ということです。イタリア語よりもスペイン語やルーマニア語に見られます。まさに柳田の理論がそのまま当てはまるような気がして面白いと思っていました。 そのような形で、言語を比較する際に時間と空間の差を見て遡って旅ができると思うのです。 全くとりとめない話ですがこれもまた旅行の楽しみということで・・。
ラテン語の語彙は、イタリア語よりもスペイン語やルーマニア語に目立つのですか Maledettaさん、こんばんは トピックの趣向をご理解いただきまして、ありがとうございます。 >言語学素人でもすぐに気がつくのは、意外と欧州の周辺地域の言語にラテン語の語彙や構造が残っている、ということです。 おもしろいです! おっしゃるとおり、柳田国男の「方言周圏論」そのまんまだなあ。 ラテン語がわかる方の旅の醍醐味ですね。 現代の空間移動のなかにローマ帝国時代が透けて見える瞬間がある、という。 私はもっと単純で、たとえば沖縄で「なんだ、○○さんはヤマトでしたか~」などと言われると、一気にですね、沖縄(当時どのように呼ばれていたのかは知らない)とヤマト王権がお互いにけん制しあいながら隋との交易を求めていた時代にですね、飛ばされるような感覚を覚えます。 あとは、テレビでアテネオリンピックの入場行進を眺めていたら、ギリシャ語でフランス選手団を「ガリア」と紹介されて驚いたときもタイムスリップしました。ガリアですよ!ガリア!フランス選手団が重装傭兵団に見えそうでしたよ。 では!
România(ローマニア) ローマ帝国の属州ダキア → 現在の国名は「ローマ人の地」の意で、俗ラテン語に20%ほどスラブ語の影響を受けた言語と纏めてみました。 仏語で獨逸をゲルマン系とは言え地方小部族のアラマンニ族の国 Allemagne とするのは 喩えれば朝鮮が日本を「奈良人の国」とか「鎌倉人の国」「奥州人の国」と呼ぶかのような隣国への矮小化意図があったのでしょうか。異論があると思います。断定しませんよ。
ウィルキンゲトリクス 夏草や様、またまたこんばんは。 言語学専攻ではないので、単なる印象論に過ぎませんから、正確ではないと思います。語彙の一致の確率を知っているわけでもありません。しかし・・。 ラテン語学習の醍醐味は格変化なのですが(これで好き嫌いが明確に分かれます)、現代の西欧のロマンス語では格変化が消え去っています。仏伊西葡語その他、私の知っている限りではもうありません。ところがどっこい、ルーマニア語には残っているのです。ローマ人の生き残りに出会ったみたいな感じです。でも最もラテン語らしい(と勝手に思っている)奪格はないので残念です。 スペイン語では過去形をみると、おっ、というところがあります。ラテン語の完了形の姿を残しているのです。これはイタリア語では遠過去形という形で残っているものの、話し言葉ではあまり使いませんので、むしろ単純過去で頻繁に使うスペイン語の方がラテン語っぽいのです。語彙ではir(行く)なんてラテン語のireだし、と色々面白い発見があります。 さてガリアですね。フランス人って、フランク人の子孫になったりガリア人の子孫になったり、色々使い分けていて勝手ですね-。フランスではガリアの英雄のウィルキンゲトリクスが漫画になっていて、子供なら誰でも読んだことがあるそうです。フランスのどこだったかに彼の大きな石像があって、我々が想像する以上にフランス人はケルトの血を意識しているのでしょう。 そういえばウェールズはイタリア語ではGallesです。同じケルト系の地ですね。 決して語学が得意ではないですが、色々つまみ食いして学んでいると、欧州各地に行ったとき色々面白いことがわかるので止められません。(肝心の英語は苦手なのですが・・)