空間を旅することは時間を旅すること........

夏草やさん、この本、最初のフィンランド・トピのときから気になったいました。
読まれたのですね!
ご紹介ありがとうございます。

別枝にも書きましたとおり、amazonの欲しいものリストに入れたきり(いっぱい溜まっている~)まだ購入に到っていません。
夏草やさんのこの書き込みを拝見しますと、自分で買って読んでもここまで咀嚼できるか心配になります....
(+_+)

宇宙では、何せ距離も時間も広大ですので、空間を移動することと時間を移動することがリンクしていることはとてもわかりやすいですよね。
規模は小さいながらも、地上の歴史にも当てはまるかもしれません。

周辺地域に前世代の諸々が残りがちであることは、確か、堀田前衛さんが、スペインとロシア(帝国主義の残滓がユーラシア大陸の西端と東端に云々)を例に挙げて書いていらしたように思います。
言語も、中心部から変化が起こるとすると、周縁部は後追いになりますよね、今と違って距離というのは大きな要素だったでしょうから。
そうだとすると、中心部から周縁部に旅することは、時間を遡る旅に....?(単純に言って、ですけれども!)

ただ、縄文人?がそんなに孤立して一定期間純粋培養のように言語(つまり民族として、文化として)を育てたかどうかは、俄には断言出来ない気がします。
古代人って、思っている以上に案外動きがダイナミックなんですよね。まさかと思うほどの移動をけっこうしています。
さすけねえさんが、NHKの番組を紹介していらっしゃいますように、遺伝的な解析が進んできて、そちらの方面からもさまざまなことが発見されています。
なかなか面白い分野ですよね!

興味深い本のご紹介、ありがとうございました!ぜひ読んでみます。
ではまた。



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2件のコメント

  • Re: 空間を旅することは時間を旅すること........

    この本じゃなくていいのじゃないかの話の次は、
    やはり、この本がいいんじゃないかの理由です。

    >周辺地域に前世代の諸々が残りがちであることは、確か、堀田前衛さんが、
    これは、柳田国男の「方言周圏論」(=文化的中心地において新語が生れると,それまで使われていた単語は周辺へ押しやられる。これが繰返されると,池に石を投げ入れたときにできる波紋のように,周辺から順に古い形が並んだ分布を示すとの説)と同じ考え方だなと思うのですが、

    『縄文語の発見』では、方言周圏論を土台に、日本各地の「蜻蛉(アキヅ)=トンボの古語」の方言形を比較し、アケズ(岩手)・アゲツ(秋田)・アケツ(秋田や福島)・アゲンザ(関東)・アケシ(鹿児島)・アケージュー(沖縄本島)・アケージ(石垣)などのバリエーションを分析しています。

    そして、

    >縄文人?がそんなに孤立して一定期間純粋培養のように言語(つまり民族として、文化として)を育てたかどうかは、

    ここですよね。
    比較言語学的に、一つの「祖形」を仮想し、そこからの分岐を議論するわけですが、

    共通の祖形の形成時には、日本全土の言葉が共通になるほどの内部の交流があり、かつ、外部からのインパクトがない状態でなければいけない。一方、分岐時には、ある地域が他から孤立したり、ある地域のみに外部からのインパクトがある状態を想定しなればならない。

    中央と地方の落差も交流の度合も、考古学的・歴史学的な資料や考え方を土台として想定したうえで、「音」を分析するわけで、よほど精緻にやらないとしくじる綱渡りです。この綱渡りっぷりを楽しみ、かつ、読者として結論を受け入れる否かは、実際に読んでみないことにはわからないのですね。

    長い返事になってしまいました。
    コメントありがとうございました。

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  • 神の手が!

    ときどきClioさん、こんばんは

    >自分で買って読んでもここまで咀嚼できるか心配になります....

    初心者を想定して分かりやすく親切に解説しているのでなんの心配ないです(笑)。
    ただ、20年前の著作なのです。
    私のような素人にも、日本の石器時代のスタートを古く見積もりすぎでは?とか、縄文の文化を高度化しすぎでは?と感じる記述があり、「あっ!」と思ったのですが、例の捏造「神の手」が大活躍し世界を驚かす石器がザクザク出現したころに、一般読者を意識して書かれた結果かもしれませんね。

    結論を受け取るだけでは納得できない、結論を導き出す手法を教えてくれ!結論はすぐにアプデートされるだろうから覚えない、だが手法の進化のスピードは緩やかだろうから覚えておきたい私には、たいそう刺激的でした。おそらくですね、渡来集団の言語に縄文語は置換されない、を前提して、欧印諸語の分析手法を日本の方言に適用した最初のチャレンジだったと思うんで。手法マニア(笑)には、先頭に立って突っ込んだ人の本を読むことに非常な価値がありますが、最新情報を知りたい人向けではないなあと思いました。先頭の人よりも、後発の人の方がより精緻な仕事をしやすいのはどの分野も同じだとろうし。

    >そうだとすると、中心部から周縁部に旅することは、時間を遡る旅に....?(単純に言って、ですけれども!)

    ですよね!
    そうした意識を持つか否かで、旅先で眺める風景がずいぶんと違うはずです。

    ではまた

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