18/01/30 00:41

Re.パリで生のフォアグラを・・・

日ごろmamoruさんのフランスカテゴリーのみならず知識や経験の豊かさには全く敬服しております。またフランス語にもご堪能なご様子で、全くの私など恐れ多い限りです(因みにSud-ouestとは一種の剽軽な熟語にでもなっているのでしょうか)。

さすがの詳細な情報、お話をいただき、本当にありがとうございました。すこしゆっくり検索勉強してみたいと思います。フランスはパリ以外ほとんど行ったことが無いのですが、食は勿論いろいろ魅力的なのでしょうね。ゲルマン圏が多かったのですがそろそろフランスを目指そうかとも思っております。その折はよろしくおねがいします。

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1件のコメント

  • 18/01/30 23:07

    フランスでSud-Ouestと呼ばれる地域の範囲

    Sud-Ouestという行政区域はないのですが、Sud-Ouestと呼ばれる地域はアキテーヌ(Aquitaine、ボルドーを中心とする)という地方とミディ・ピレネー(Midi-Pyrenees、トゥールーズを中心とする)と言う地方で構成されるというのが共通認識のようです。
    ここでい言う「地方」というのは日本で関東地方、東北地方という地方で、行政上の区分の語です。
    2016年に数多くあった「地方」が統合されて13区分になっています。(アキテーヌもミディ・ピレネーも他と合併して名前が変わりました)

    大雑把に言うと、地図を見ていただかないと見当がつかないと思いますが、ボルドーの北のラ・ロシェルという町との中間あたりに北の境界があり、東の方はラスコーという先史時代の洞窟壁画が見つかった町がその東の端、南東方向に弧を描いて南に下り、南はカルカソンヌ(Carcassonne)との間に県境があり(カルカソンヌは含まれない)、大体そのあたりがSud-Ouestという概念です。

    Sud-Ouest料理という言い方があって、ペリゴール地方(この「地方」は行政とは関係ない一般的な区域の意、中心地がペリグー)のフォアグラや鴨料理、フランスバスク地方の料理(生ハムなどでしょうか)、トゥールーズのカスレ(白インゲンと肉を煮込んだ料理)などを含んだこれらの地方の料理を指すようです。

    店の名前がもじってあるというのは、
    英語で Once upon a time と始める童話のように、フランス語では Il était une fois と始めるのですが、foisの発音が「フォワ」で、店の名前がこのfoisの代わりにoie(ガチョウの意、発音はオワ)で韻が似ているので、おそらくフランス人なら元の語句をもじって面白くし、かつSud-Ouest料理であることを予感させ、次いで「南西地方の」を指すdans le Sud-Ouestを付け加えてたたみかけた、と思うでしょう。

    Sud-Ouestに特別面白い意味はありません。


    先のレスで
    canard (鴨・アヒル)を、誤って canal と書いてしまっています。正しくは canardです。訂正します。



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    18/01/31 17:18

    Sud-Ouest

    ご丁寧に説明いただきありがとうございました。さすがにとても含蓄あるお話で、とりわけ「昔むかし」のくだりなどとても面白く読ませていただきました。重ね重ねお礼申し上げます。

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