多分、通じていない

香港に対する認識が少し違うのではないかな？と
思います。ここで歴史と言っても、英国が交易のために
租借する前は何もなく、紀元前2千年以上前の、多分
秦始皇帝の時代に、陸地が続いていた頃の、それこそ
始皇帝に関係しているものでも出ているのなら別ですが、
そもそも遺跡なんかないし、阿片戦争（まだ二百年も
経ていないのですうよ・・）前の香港ってただの田舎町。
歴史に名を残すようなことは皆無・・・。

返還前までは、それでもある意味閉ざされていた大陸への
窓口、東洋と西洋とが融合する国際都市でしたが、今は
ど派手さは大陸とも変わらないし、物価は高いし、
人間は忙しいしで、金のある人間には楽しい街ですが、
観光資源には乏しいのは以前にもましているだけです。
現に、有名だが、コピーも簡単にできるほど安っぽい
某高級ブランドの前に大陸人が列をなすし、至る所にある
金製品を売る店でも大陸人が桁違いの買い物をして
います。超高層ビルでは遙か下に夜景を望める店が
富裕層には受けているし、やはり資本主義が露骨に
大きな顔をしている街です。まあ、資本主義と言うのなら、
今や本国（中華人民共和国）に敵う国はありませんが・・。

ということで、ここでは金さえあれば楽しめる街です。
宿にしてもしかりで、それなり、と言うよりも相当額の
出費を覚悟すれば、快適な空間とサービス、素晴らしい
夜景を一人占めできますが、同じように金さえあれば
楽しめる東京よりもさらに高いのが香港です。

しかも、品物も今や香港ならではのものはほとんど
ありません。ワインも非課税になってから、日本に
比べてゼロが二つ（レートを加味すれば三つ）ほど
多いものが平気で売られています。また、チェーン店が
ほとんどで、数十メートル歩けば、同じ店に当たります。
旺角なら、周大福とか百老滙とか同じ店が並びます。
蛇足ですが、前者は金で、貧乏な日本人が行っても相手には
されません（追い出されはしませんが、客はほとんどが数萬港元を
平気で使う大陸人です）。後者は、家電量販店と言うより、携帯電話と
デジタルカメラの店で、通信会社の抱き合わせ販売ではない単体なので、
かなり高く売られています。上記はあくまで例で、チェーン店は枚挙に暇が
ありません。

街中至る所にあるショッピングセンターも、ほとんどが同じ店で、
今や香港らしい珍しい店も少なくなりました。返還前には
お宝の宝庫？（とあるものが安く売られていただけ）であった地元資本の
百貨店も陶太され、今や少しだけなら面白いかな？と思われる裕華國貨
の佐敦店くらいではないでしょうか。

実際に、私も、最近は香港に泊まることがほとんどなくなりました。
一年ほど前に二泊したときも、滞在中、旺角から半径一キロ以内（実際は
500メートルだったかも知れません）から一歩も出ませんでした。
それをCXの客室乗務員との会話のなかで話たら、『それは正解（a good way）』
と言っていたくらいです。逆に日帰りが増えました。E-道になってからは、
出入国の手間とストレスがなくなったのも要因としては大きいのですが、
やはり魅力がなくなったのが最大の要因です。