レポート
  • 女性
  • 50代
  • 元県庁職員
  • 香川県
  • 英検2級、ロシア語教員免許、ドイツ語4級

狂犬病

公開日 : 2023年02月20日
最終更新 :

あれは、2008年3月のことだった。
1年に及ぶインド周遊を終えた私は、次に、インドネシアのバリ島に赴いた。
インド・コルカタから、タイ・バンコク経由デンパサール行きのタイ航空だった。
宿泊地は、ウブドにした。
山間部で、涼しいからだ。海は、ない。
空港から、タクシーで、ガイドブックに載っていたホテルに行った。
1泊50万ルピア(約5、000円)ほどするコテージ風のホテルだった。
2階建ての2階で、中は、キャッチボールできるほど広く、巨大なベッドと、ソファ、机、TV、天井ファン、露天のバスルームがあった。朝食ビュッフェ付きで、庭には、プールもあった。
ここには、1泊だけして、次は、モンキーフォレスト近くのゲストハウスに移った。
ツインの部屋で、1泊6万ルピア(約600円)だった。(水シャワー、トイレ、天井ファン付き)
ここのスタッフは、若い男だったが、私の部屋に入りたがったので、嫌になり、三日で、また、別のゲストハウスに移った。(1泊7万ルピア、約700円。シングルで設備は同じ)
確か、二つ目のゲストハウスにいたときだ。
私は、なぜか、人家もまばらな山の中に迷い込んでしまった。
放し飼いにされている番犬が、そこら中で、吠えた。
私は、犬を飼ったことがあったが、「犬の様子が変だ」と思った。
吠え方が、凶悪すぎる。
すぐそばに、車が一台、停まっていた。
家の中から、若い女性が出て来て、車に乗り込もうとした。
私は、英語で、
「モンキーフォレストまで、乗せてください。金は、払います」
と言った。
若い女性は、にっこり笑って、英語で、
「2万(ルピア)(約200円)」
と言った。
私は、急いで、車の後部座席に乗った。
犬が、怖かった。
後で知ったが、当時、バリ島では、狂犬病が蔓延していて、オーストラリア人が、犬にかまれて、数人死んだそうだ。
「安全は、お金で買う」のが、鉄則だ。
バリ島には、日本の領事館もある。

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