2007年8月のことだ。
私は、当時、南インドのマイソールに滞在していた。
周りに、外国人は、ほとんどいなかった。
私は、一泊400ルピー(約1,200円)の安宿(シングル、トイレ、温水シャワー付き)に、約1か月間、滞在していた。
私は、ガイドブックに載っていた、チベット料理店へ、よく行った。
チベット料理は、日本人の口に、よく合う。値段も、手頃だった.
マイソールに、チベット難民キャンプがあるので、チベット人が、たくさん住んでいたみたいだ。
ある日、私が、このチベット料理店へ行くと、30代くらいの、若いチベット人男性が、客として来ていて、相席になった。
私は、その男と、向かい合って、座った。坊さんでないチベット人男性は、初めて見た。
彼は、ウェイトレスのチベット人女性のエプロンを指さして、英語で、
「あれは、既婚女性がつけるものだ」
と教えてくれた。
私は、その男と、英語で、話をした。
彼は、
「私は、医者だ」
と言った。私が、、
「じゃあ、金持ちだね」
と言うと、彼は、
「いや、全然」
私が、
「大学へ行ったんでしょう?」
と聞くと、彼は、
「いや、行ってないよ」
と答えた。
私は、びっくりした。
日本では、「医者が、大学へ行っていない」なんてことは、ありえない!
彼は、
「ヨーロッパから来た医者が、いろいろ教えてくれるんだよ」
と言った。
その後、ダライ・ラマの話をした。
医者の資格や免許は、国ごとに違う。
インドでは、「役に立ったら、それでいい」という発想だ。
健康保険も、年金制度もない。
それでも、ネパールには、病院らしい病院がないので、ネパールで、大怪我をしたら、即刻、インドの病院へ向かう(タイとラオスの関係と同じ)。
インドは、周辺国の中で、一番豊な国だ。