２００７年１２月、私は、インドのアーグラーにいた。
かの有名な、タージマハルがある町だ。
私は、イスラム教徒が経営するゲストハウスに泊まっていた。
ツイン、バスルーム付き、ひとり使用で、１泊３５０ルピー（約１、０５０円）だった。
「タージマハルは、早朝が美しい」と、ガイドブックに書いていたので、開場とともに、朝一番で、タージマハルに入場した。
インド旅行で、タージマハルは、はずせない。
感動的な美しさだった。
私は、アーグラーには、２０日ほど滞在した。
街中で、よく見かける、ひとりの、妙な中年男性がいた。
ものすごく太っていて、いつも、バイクにまたがり、エンジンをかけずに、足で地面を蹴って、移動していた。
太りすぎて、歩けないようだった。
私は、ゲストハウススタッフの若い男の子に、尋ねた。
「（英語で）肉も、魚も、食べられず、ビールも飲めないのに、どうして、太るのか？」
（ヒンドゥー教徒は、戒律で、肉も、魚も、食べられず、アルコールも飲めない）
ゲストハウススタッフの若い男の子は、
「Sweets（お菓子）！」
と答えた。そして、
「（英語で）金持ちは、いいよな。いい教育、受けられて」
と言った。
インド人は、率直だ。
