スリの話をさせてください

夫婦で中央駅からバチカンに向かうバスの中の出来事でした。
旅行前から、スリが多いと聞いていたので、わたしは、ハンドバックを胸の前で両手で抱えていました。

そのバスは、満員で、朝の通勤時間帯で道も混んで、ちょっと走っては止まりをくりかえしていたので、「これでは歩いたほうが早いのでは...。」と、思っていたら、主人が私に「僕の、ズボンのぽっけを子供が触ってる。」と、私の耳元で言い、ぽっけに、手をやりながら、私のほうへ背中を向けました。中には、財布が入ってるのです。
私からは、主人の近くに子供の姿は見えず、女の人が抱っこ紐で赤ん坊を抱いているのが見えました。

それから数分もたたないうちに、誰か後ろで叫んだのです。
すぐにバスが止まったので、言葉が分からない私は、誰か停車場を乗り過ごしたので、「おろしてくれ。」と叫んだのかと思っていたのですが、バスは停車したもののドアを開けません。
次の瞬間、叫んだらしい男性が、その赤ちゃんを抱いた女の人を指して大声でまた叫び始めたのです。「その人スリだって。」主人がいうのです。

バスは、その場で止まったまま、誰も何も言わず本当に静まりかえっていました。誰も驚いた様子もなくその場でじっとしていました。その女の人も、バスの中はほとんど外国人観光客っだたのでしょう。たぶんその女の人も。

「おろしてくれたらいいのにね。」
「警察が来るの待っているんだろう。」
午前中とは言え夏。バスが人の熱気でむんむんとしてくる中、15分ほどしてからやっとドアが開き、警察が来て、彼女ともう一人影にいた、子供を連行していきました。

ローマとかパリとか観光シーズンは現地の人の数より、観光客の方が多いのではないでしょうか。

特にヨーロッパは地続きなので、スリのグループも、あの手、この手で地元のマフィアと関係したり、移動したりで、まるで、インフルエンザのウィールスみたいに姿形をかえています。(社会事情の影響もあります。失業問題とか。)

ローマにいたことのある私の知り合いはほとんど被害にあったり、未遂で終わったり何らかの経験があります。彼たちは服装も、普通ですし、ショッピングツアーではありません。

ツアーガイドの方が、モーターバイクの引ったくりに会い、斜めがけにしていたショルダーバックごと引っ張られて、なくなられた話も聞いたことがあります。

やはり、最新安全情報を聞いて、もしものときの連絡先、パスポートとクレジットNr.ぐらいは控えておくべきです。

それに、ツアーはツアーの良さがあります。私が、フィレンツエに行ったとき、美術間に入ったものツアーと個人は順路が違いツアーの人は見られるが、個人は小さな窓から部屋をのぞけるだけという部屋がありました。理由を聞いたら、絵が痛むので、一日のその部屋の入場人数が決まっているのだそうです。

この30年間の間の20年間は欧州在住ですが、日本に帰ると本当に平和と安全を感じます。
例えば、いたるところに自動販売機があったり、家の鍵がとても単純だったり。etc.

若い人たちはどんどん海外に出て,見聞を広めて欲しいと思ってます。できれば、現地の人と交わって生活体験して欲しいいとも。
日本がどれだけ豊かで、平和で、自由で、自分の意見が通る国は無いて知ることができるでしょう。私自身がそうでしたから。

「母を訪ねて3千里」のお話、日本の方々だったら、ほとんどしってらしゃいますよね。その物語は約100年前のはなしですけれど。世界中には、小さい子を国に残して、海外に出稼ぎに出ている御母さんたちもたくさんいるんです。私もそのことを最近トルコの旅で再確認しました。
日本には、他の国から来ているそういうお母さんはいますが、日本人のお母さんが、海外出稼ぎに行くなんて聞いたこと無いですよね。それだけ恵まれているんです。

旅は、楽しいし、本当に人生勉強になりますよ。皆さんどんどん海外へ出かけてください。