『細雪』と神戸探訪 ときどきClioさん PP&Mさん こんにちは ＞『細雪』は谷崎が、戦争に突入する前の、謂わば古き良き日本（ただ、彼の眼中に一般庶民がいたかしら？？）を記録しようとして細密に描写を企てたものだとか。 ふふふ、一般庶民がいたかどうかはさておき、 彼が言葉に代えて残したものを感じる旅行も渋くてよきものなのでしょうね。 古き良き日本にタイムスリップですか……。 ここでも、まえトピックでも日本旅行が出てきましたが、まとめてないです。 谷崎、司馬、丸谷、池波などなど、大事にしたいです。 ベソアありがとう。 直撃弾をくらうのは嫌いじゃないのですが、時間帯に気をつけたほうがいいのかな、と思いました（笑）。安心してベッドの友にします。 では！
Re: イノウエさん、こんにちは。 水曜日でこのトピックをしめられるとか。 ここのところ、話題がひろがって、それはそれで楽しく私も参加させていただいていますが、終盤ということで、トピックへの正攻法レス、ずーっと気になっていたものを３つ、出させてください。 ひとつは、ヴェニス、『旅情』は出ていましたが、『ヴェニスに死す』が出ていなかったのではないでしょうか。（どなたか出していらっしゃいましたら、ごめんなさい。） T.マンの小説の方も愛読しましたがあの映画はインパクト強すぎ！マーラーの音楽とともに忘れられないです。 何と言っても、オスマントルコに対峙したしたたかな国でもあり、これはぜひ訪れたいです！ もうひとつは、ロンドンのトラファルガー広場。 ナショナルギャラリーから広場を見たとき、どうしたって、モームの『人間の絆』のラストを思い出さずにはいられませんでした。 ご存じかと思いますが、プロポーズの場面です。 ちょっと長いのですが、紹介してくださっているページがありましたので（私はもちろん日本語で読みました。） “I wonder if you’ll marry me, Sally?” She did not move and there was no flicker of emotion on her face, but she did not answer. “If you like.” “Don't you want to?” “Oh, of course I 'd like to have a house of my own, and It’s about time I was settling down.” He smiled a little. He knew her pretty well by now, and her manner did not surprise him. “But don’t you want to marry me?” “There is no one else I would marry.” “Then that settles it.” “Mother and Dad will be surprised, won’t they?” “I’m so happy.” “I want my lunch,” she said, “Dear!” He smiled and took her hand and pressed it. They got up and walked out of the gallery. They stood for a moment at the balustrade and looked at Trafalgar Square. Cabs and omnibuses hurried to and fro, and crowds passed, hastening in every direction, and the sun was shining. うーん、ここだけだとわかりにくいかもしれないのですが、すごくいい感じなんですよね、このプロポーズ。（しかし作者は安直過ぎる終わりかただ、と後年不満だったとか。） ３つめは、アルセーヌ・ルパンのパリです。 堀口大學氏のとーってもロマンティックな訳に熱中していた私は、授業中もパリの市街図の暗記に余念なく、中心部はそらで描けるほどでした。 それにしても当時、いつか自分がパリの通りを歩くことがあると思っていたか、思っていなかったか.....？？ 以上、いずれも、最近読みはじめた塩野さんの本とは異なって、海外旅行など意識することさえなかった子ども時代の、原風景ともいうべきものと言えるかも..... （しかし、けっこう雑然としていますね！こう並べますと。） 楽しいトピ、ありがとうございました！
