あれは、2009年の夏か秋だったと思う。
私は、タイの首都バンコクの有名なツーリストエリア・カオサン近くのゲストハウスに長期滞在していた。
1泊350バーツ(約1、225円)で、シャワー付き、バスルーム共同のワンベッドルームだった。
ある夜、私は、用事があって、カオサン通りを歩いていた。
目の前で、日本人と思しき若い男性の集団が、コンビニに入ろうとしていた。
若いタイ人女性が、そのうちの一人の腕に抱きついて、
「Three days girl friend, OK?!(3日間のガールフレンド、いい?!)」
と言った。
その若い男性は、茶髪で、色黒、20才くらい、身長170センチ超、ハンサムっぽい顔をしていた。
タイ人女性の方は、身長高めで、髪が長かった。
ニューハーフでは、なかった。
私は、そのまま、通り過ぎた。
2,3日後、私は、隣のMAMAsゲストハウスの前で、あの若い男と仲間数人が、入口に、並んで座っているのを見た。
例の若い男は、ボロボロ涙を流して泣いていた。
隣に座っていた年長の男が、何か紙を広げて、
「………コピーを取り………」
と読み上げていた。
たぶん、若い男は、あの女に、貴重品を盗まれ、仲間の所に、泣きながら帰ってきたんだろう。
仲間は、入っていた保険が使えないか、調べていたと思われる。
外国では、泥棒が、あらゆるチャンスを狙っている。
本当に気を付けよう!