２００８年１０月８日、私は、初めて、タイに入国した。
マレーシアのペナンのタイ領事館で、観光ビザを取得し、エアアジアで、バンコクに飛んだ。
宿は、カオサン近くの安宿だった。
入国して数日後のことだ。民主記念塔の方から、カオサンに向かって歩いていて、ふと見上げると、大通りの向こうの方で、建物の上から、黒い煙が、もくもくと立ち昇っているのが見えた。
私は「何だろう？」と好奇心を出し、大通りを横切って、煙が立ち昇っている場所へ向かった。
一台の自動車が燃えていた。その周囲を、タイ人が取り囲み、黙って見ていた。
私は、野次馬の最前列に行き、一番真ん前で、燃える自動車を見ていた。
突然、「ドカン！」と、燃えていた自動車が爆発した。
私は、びっくりして、力いっぱい走って逃げた。連れもいず、荷物は、手に持っていたから、さっと、身を翻して、走って逃げることができた。
走って逃げながら、「爆弾テロは、最初の一発目で、人を集め、二発目で、集まってきた人を殺す」というのを、どこかで読んだことを、思い出した。
走りながら、後ろを振り返ったが、死傷者は、いなかったようだ。
タイ人が、警察に連絡したかどうかは、知らない。
