今は陸路に限っていえばまったく出国航空券の心配はありません

現在外国人が通過できる陸路の国境＝International Border Crossingはベトナムと中国の間は3ヶ所、ベトナムとラオスの間は7ヶ所、ベトナムとカンボジアの間は10ヶ所ですが、すべてで出国航空券の提示は求めてきません。ただしあくまで今日まではの話です。

かってはベトナムが新しくオープンしたばかりの陸路の国境（International Border Crossing）ではビザなしの規定に厳格で私はかってラオスの北部のサムヌアからNa Meoのボーダーを経てベトナム北部のThanh Hoaに貫けようとしたことがありますが、そのときはBKKから日本へ帰る航空券しか持っていなかったためどうしても入れてもらえず数時間も足止めをくったとあと最後に新しい入国係官を教育していた政治局員からビザなし規定の文書を見せられて納得せざるを得ず、はるばるビエンチャンまで戻って別の規則のゆるい国境からベトナムに入りなおしたことがあります。この国境が外国人に開かれてまだ2年目くらいのときです（2005年ごろだったか？）。その政治局員とはそれまで彼の肩書きを知らずいろんな話をして仲良くなっていたのにです。彼は私服のポロシャツ姿でうんと若かったのでまさか他の係官を教育している人間とは思いませんでした。

それはともかく今はベトナムの陸路の国境に限っては出国航空券の提示は求めてきません。が訊かれることはごくまれにあります。ただしもう一度いいますがあくまで今日まではのはなしであしたのことはわかりません。なぜなら日本の政府がベトナムの政府との間で結んだビザなし規定には出国航空券の所持が厳然と義務ずけられているんですから。その決りをそれぞれの国境で実際に厳しく適用しているかどうかはまた別です。いまは空港以外はもうどこも問題にしませんが私は過去に苦い経験があるのでつい数日前ベトナムから中国経由で日本に帰ってきたばかりですがベトナムへの片道航空券だけでベトナムの空港からベトナムに入るのはいまでもなんとなく気が進みません（実際はだいじょうぶでしたけどね）。

さて話は変わりますが、新しく入国係官になる人間に規則の網のやぶれた穴のところから先に教育する国があるでしょうか？---日本では？---アメリカでは？---ヨロッパの国では？---じゃアジアの国では？--そんな国ありますかね？ そんなことされたらそこの国の人間が困るでしょう。陸路であろうと空港であろうと国境の入国係官にはまず最初は決りをきちんと教えるでしょう。それがどうなるかはそのあとのことで空港が陸路の国境よりうるさいのはその名残りだと思います。そしてそれがかんぜんに緩くなってしまったらたまそれはそれで困ったことになるとおもいますね。

結局われわれ旅行者はいろんな決まりの緩いところきついところの合間をぬって旅行しているわけでまずそれに合わせる必要があります。つまり実際の状況はどうなのか個々に知って積み重ねていけばいいい訳でそうすればどこの国であろうと旅行はスムーズに行きます。その情報集めを怠ればベトナムに限らずどこの国であろうとつまずきます。まさか外国に行って自分の都合でそこの国の法律や規則をひっくり返しながら旅行するわけにはいきませんから。

たとえばマレーシアに密輸目的で麻薬を持ち込んだら間違いなく死刑判決です（最近37歳の日本人の女性が死刑判決を受けました）。これが中国では1ｋｇ以上となります（最近４人ほど日本人が中国で電気椅子で死にました。でもそのあとにまた懲りずに捕まったのがいます）。マレーシアではかってオーストラリアの青年２人が麻薬持込みの罪で死刑判決を受け当時のオーストラリアの首相はじめ著名な人間が助命の嘆願をしましたがマレーシア側でそれを受けつけず結局電気椅子で死刑になりました。まあ麻薬に手を出さないにしてもよそ国に出かけて特に悪いことをしているわけでもないのに空港から中に入れてもらえないのは旅行者としては死刑になったようなものです。絶対に避けたいですね（笑）、いや笑ってはいられない！