アユタヤ 26 危機感 (ちょうどよかった、写真おねがいしようっと♪) 近づいてきたタイ人男性に声をかけました」 「execuse me,would you take my picture?」 「×××××...」 まったく英語が通じないみたいなので、カメラを出して写真を撮るポーズをすると、ウンウンとうなづいてカメラを受け取ってくれました。 「×××××、×××!」 彼は入り口と反対方向の奥の方を指差して何か言っています。 何か、『向こうの方がきれいに撮れるよ』みたいなことを言っているようです。 (あっちにみんなが撮るような場所があるのかなぁ?) 「OK、OK」 誘われた方へついていくと、中が通路になっているような仏塔の前でした。 (あ、ほんとだ。けっこう雰囲気いいなぁ☆ やっぱりこの人、ここで働いてる人なんだ) 2枚ほど撮ってもらってお礼を言うと、仏塔の中を指差して何か言っています。 『×××××!××××』 何を言ってるか分かりませんでしたが、ニコニコして鳥がはばたくようなジェスチャーをしています。 (中に鳥??鳥がいるの??) 入ってみると、暗くてひんやりしています。 鳩でしょうか、バタバタと音をたてて通路から飛び出していきました。 (鳩をみせたかったのかなぁ....こんな中で写真撮ってもなぁ....あっ!!!) 突然後ろから抱きつかれました!! (エッ!?何っ!?チョッ..チョット!!!) すごい力と恐怖で声が出ません! (イヤーッ!!何!?エーッ!?やめてよーっ!!怖いよ!!やめてーっ!!!!!!!) 殺されると思いました。 いろんなことが頭の中を駆け抜けました。 (パパ!!パパ!!助けてっ、パパ助けてーッ!!!!!) 相手の手が首元からTシャツの中に入ろうとした時、 「ガブッ!!」 と思い切り噛み付きました! 「アアアアアアーッ!!!」 相手が悲鳴をあげて離れたとき、出口へ向かって逃げようとしましたが、恐怖でうまく走れずに足がもつれてこけてしまいました。 「助けて!!!助けて!!!誰かーっ!!!助けてーっ!!!」 今思えば、何であの時英語で助けを求めなかったんだろうと思うけど、そんなことはまったく頭に浮かびませんでした。 やっと出せた大声のおかげで、観光客の外人さんが私に気付いて駆け寄って来てくれました。 「Pervert!!pervert!! help me,please!!!」 後ろを振り返るとさっきの男はもう逃げていました。 「Are you O.K.!?」 白髪まじりの外人さんに抱き起こされながらも、私は恐怖とパニックで声を出して泣いてしまいました。
アユタヤ 27 危機感 腰が抜ける ってよく耳にする言葉だけど、ほんとにそんな感じでした。 足が踏ん張れなくて、全身震えていました。 私を助けてくれた方は、やっぱりさっき遠くに見えた団体さんの一人だったようです。 その中の一人が私が示した方向へ走っていこうとしましたが、私を抱えているおじさまに、『行くな!』と言われていました。 外人さんのグループが私を取り囲んだ時、初めて安心できました。 おばあさんに近い女性が、ポーチの中から小さなスプレーを取り出し、私のすねに冷たいものを噴きかけると、少ししみました。 気がつかなかったけど、ずいぶんすりむいています。 ポケットティッシュでやさしく傷口をふいてくれながら、『怖かったね、もう大丈夫だから』と言ってくれました。 しばらくして、係りの人が警備員を呼んできてくれて事情を話しましたが、どこの寺も人目につかないところは痴漢が多いし、どうせつかまらないと首を振りました。 さっきよりもずっと増えた観光客の中を外人さんに抱えられて寺の外に出ると、足の震えも大分おさまっていました。 おばあさんが水を買ってきてくれて、それをすこし飲むとやっと落着いて、外の暑さを感じることができました。 おばあさんはおじさまに、ホテルまで送ってあげなさいと言いましたが、私が自転車があるので大丈夫ですと言うと、怪我をしてるからダメだといって、自転車ごとトゥクトゥクに乗せました。 送ってくれるというのを、本当にもうだいじょうぶです、ありがとうございますと断って、助けていただいたお礼と消毒していただいたお礼を言って、自転車を乗せたトゥクトゥクで宿へ戻りました。 すりむいた足が埃っぽい風にあたってヒリヒリしました。
アユタヤ 28 危機感 「どないしたん!?」 宿に着くと、トゥクトゥクに自転車を乗せていたのと私のすりむいた足を見て、Aさんとご夫婦が飛び出してきました。 「怪我してるやんか!自転車でこけたんか!?」 「いや....あのぅ...」 トゥクトゥクから自転車を下ろしてくれるAさんに、痴漢に遭ったなんて動揺して簡単に言えませんでした。 「いいから傷口洗っておいで、消毒するし」 「...消毒は...済んでるんですけど.....」 「チャリはこわれてへんし、...消毒済んだ??...ん?どないしたん?」 問い詰められると、さっきまでの事を思い出してきて涙が溢れて来ました。 「Aさん、のんちゃんTシャツがボロボロじゃないすか」 Kさんも下りてきました。 そういえば、揉みあったときに引っ張られたのか、Tシャツの首元が伸びきっています。 「....のんちゃん、何があったんや?」 それから、すこしづつワット・シー・サンペットで起こったことをみんなの前で話しました。 外人さんに助けられたこと、警備員に言っても犯人は追えないって事。 心配そうに私を見ているご夫婦には、Aさんが通訳して説明していました。 「.....のんちゃん、ごめんな、俺が悪いんや。俺が、人が少ないうちに行けとか言わんかったら良かったんや」 Aさんが申し訳なさそうに言いました。 「違います、Aさんのせいじゃないです。...私が悪いんです、私がちゃんと気をつけなかったから...」 「いや、俺のせいや。プーカオトーン(アユタヤ島外にある白いお寺)とか涅槃像の辺りには卑猥な日本語話すタイ人がおるって聞いてたけど、シー・サンペットとかメジャーな寺に痴漢が出るとは思わんかった.....元々、雰囲気重視で人気のないとこに女の子1人で行かせた俺がアホやったわ。情けない...」 私のせいでAさんを落ち込ませてしまいました...ごめんなさい。 「着替えてから、部屋で少し休みや...。バンコクに戻るなら、夕方、俺が送ってやるしな」 部屋に戻ってシャワーを浴びました。 鏡をみたら、土埃と涙で顔がドロドロでした。 (あ~あぁ....私のせいで雰囲気ぶち壊しだよぅ...せっかく楽しくなってきてたのに...) ベッドに横になると、体が思うように動かないことに気がつきました。 100mを全力疾走した後のような感じです。 (でもよかった...助かって...あ、...もしかしたら、ほんとにパパが助けを呼んでくれたのかなぁ...パパ...ありがとう...) きっとそうです。 危機感を失って大変なことになるところだった私を、天国にいるパパが助けてくれたんです。 心の中でとっさに叫んだ言葉が、きっとパパに届いたんだと思います。 この宿に導いてくれたのもそうです。 今朝、遺跡に行く前にAさんが『トゥクトゥク使ったら?』って言ってくれたのに。 きっと、あの言葉もパパがAさんにお願いしたんだ! パパ、ごめんね! ずっとそばについてくれてたのに... 外国で浮かれてたらダメだよね、前にいろんな人からあんな事、こんな事に注意しなさいって、のん、言われてたんだよ~。 危機感無さ過ぎたから、こんな事になって...でも、もうだいじょうぶだよ。 扇風機はつけてなかったけど、広げた蚊帳が、『フワッ』と揺れた気がしました。 偶然だとは思いませんでした。 パパがそこに立って、私を叱っていたんだと思います。 「危機感を持ちなさい」って。
お嬢ォ だから私が言ったでしょ ったく どうしようもない子なんだから(おふねさんの声色で) 怒られると知っていて良く書いた。痴漢と書いているけれど外人観光客 が来なかったらどうなっていた事やら、運も良かった。つきもあった。 これからは最低限、身を守れる物、防犯スプレー(唐辛子粉末入り)か 小型のカッターナイフ(外国から始めて日本に来る女の子が持っていた) などをどこかに忍ばせて。護身術を習いにいくだとか。だからといって 安心は出来ないけど、それよりここに書いた勇気に感心するわ、恥ずかしくて書けないものだけど。 のんが一番、見に沁みて反省していると思うけど、でも良かった、ほっ。
Re: お嬢ォ だから私が言ったでしょ ったく どうしようもない子なんだから(おふねさんの声色で) おじいちゃま、おはよ~! きのうは早く寝ちゃって、今日は5時に目が覚めましたw おばぁさまにも怒られそうですね泣 怒られたらたすけてね☆
次回は十分気を付けて アドヴァイス全然聞いてくれませんでしたね。 女性の一人旅の場合は周りに必ず人がいる所で行動することが大切です。 誰もいない遺跡は気分、雰囲気がいいかもしれませんが、殺されては雰囲気も何もありません。これが一番陥りやすい怖い点です。 もしかして、スコータイで日本女性を殺した、遺跡で日本人女性を狙う犯人だったかも知れません。まだ捕まっていないので。ナイフを出す前に噛みつけたのがよかったです。ピストルも持っていますよ。 写真はなるべく旅行者に撮ってもらったほうがいいです。一人旅同士で撮りっこなどして。 短い距離でも知らない男にはついて行かないほうがいいです。親切な人でも。それで世界各地で多くの日本人女性が殺害、性的被害に遭っています。 私はタイに反対したのも、こういうケースを想定したからです。でも、スコータイと同じ、遺跡の誰もいない場所で殺人未遂?に遭うことまでは想像できませんでした。もっと警戒しているかと思ったからです。 どういうケースで危ない場面になるかを身を賭して示してくれたことは、タイは危険だよという警告になってよかったとおもいます。
Re: 次回は十分気を付けて はい.....反省してます泣
卑劣な犯罪 本当に辛かったことと思います。 痴漢というのは実に卑劣な犯罪ですが こういう短かい旅行の間にそういう目にあってしまったのは 実に残念です。 アユタヤのような比較的安全といわれる場所、 それも昼間の観光スポットでこんなことが起きるとはショックです。 だけどちゃんとこういうことを書いてくれたことによって ほかの女性旅行者たちにもっと注意を喚起させることになるでしょう。 ちゃんと警察やお寺の警備員に届けましたか? 日本でも残念ながら、自分の知り合いの女の子とか 痴漢された経験がある人は多いです。 心に傷を負ってしまったと思いますが 頑張って立ち直ってくださいね。
Re: 卑劣な犯罪 おはようございま~す☆ ほんとにいろいろ凝縮された旅でしたw 当時は怖くて落ち込みましたけど、もうだいじょうぶですよ~☆ それ以上に楽しかった思い出がたくさんありますから! 私は体が小さいから、きっと痴漢にあいやすいタイプなんでしょうねw
ウワッ、危機一髪 ウワッ、のんたん危うし! こんにちは、のんたんさん。 ずいぶんと、怖い目に会いましたね。 読んでいる私までドキドキしてしまいましたよ。 怪我は? カメラは? 親切な人が多かったので、一人旅の本当の怖さを忘れていましたね。 この程度で本当によかった、ホッ。 のんたんの文章、いつも楽しみに読ませてもらっています。 思い出しても心臓がドキドキする経験でしたが、 どうかこの後も頑張って、最後まで書き続けてくださいね。
Re: ウワッ、危機一髪 TAMOさん、おはようございま~す!はじめまして☆ サブタイトルにあるように、私には危機感がゆるんでいたんです泣 カメラはもみ合ったときに落として、ちょっと傷がついたけどだいじょうぶでした。 タイ日記、楽しみにしていただいてありがとうございます! 読みにくいとは思いますが、これからもよろしくおねがいします☆
Re: アユタヤ 26 危機感 ウワッ、のんたん危うし! こんにちは、のんたんさん。 ずいぶんと、怖い目に会いましたね。 読んでいる私までドキドキしてしまいましたよ。 怪我は? カメラは? 親切な人が多かったので、一人旅の本当の怖さを忘れていましたね。 この程度で本当によかった、ホッ。 のんたんの文章、いつも楽しみに読ませてもらっています。 思い出しても心臓がドキドキする経験でしたが、 どうかこの後も頑張って、最後まで書き続けてくださいね。